皆さんにとってリハビリとはどのような存在ですか?
怪我や手術により損なわれた機能を取り戻すために行う訓練という位置づけでしょうか。
ここでは高齢者にとってのリハビリについてお伝えしていきたいと思います。
介護老人保健施設は在宅復帰を目的としたリハビリを行う施設となっているため、各々の身体状況に応じて作成されたプランにそってリハビリが行われます。
その他の施設では特にリハビリに力を入れていたり特化したスペースを設けているというところは多い訳ではありません。
ただ、最近の有料老人ホームでは施設の一角にリハビリ専用スペースを設けたり機器が充実していたりという施設も見かけることが多くなりました。
しかし、高齢者にとってのリハビリは特別な場所や器具を必要としないことも多くあります。
館内や屋外を職員と一緒に散歩することや、会話すること、椅子から立ち上がったりする動作の一つ一つが立派なリハビリとなります。
リハビリとは本来ラテン語のRe(再び)Habilis(取り戻す)が語源だといわれていますが、高齢者にとってのリハビリは「機能を維持していく」ということに着目されているため、日常のあらゆる動きが全てリハビリに繋がるというわけです。
時折、この様な光景を目にすることがありませんか?
「最近お母さんも目が見えにくくなってきたり、指先が思うように動かなくなってきたのか…このパジャマも独りではうまく着られなくなってきたよね」
そんな時、あなたはどうしますか?
「出来ないのね、私がやってあげるわ」と。
優しい行いであり、それを当たり前だと思う方もたくさん居られることでしょう。
しかしながら、どれだけ時間を要してもどれだけ動かし辛さが目立っていたとしても、使える機能は使いその能力を維持していくということもまたリハビリに繋がるのだということを覚えておくと介護に役立てることが出来るかも知れませんね。