オゾンが除菌や脱臭に効果的な理由とは?
「オゾン」は成分を酸化除菌することにより除菌・消臭を行い、環境改善や感染症予防で今、注目されている気体です。オゾンの分子式はO3、つまり、わたしたちが普段吸う、酸素(O2)を原料にして作られます。オゾンは大気中に自然に存在し、大気を自浄する働き(脱臭・除菌)をしています。日差しの強い海岸などでは0.03~0.06ppm、森林では0.05~0.08ppmの濃度が観測されています。オゾンは基本的に目で確認できませんが、臭いとして確認することができます。森林などの爽やかな空気には、オゾンが含まれているのです。
オゾンは酸素(O2)と酸素原子(O)によって構成されています。オゾン分子(O3)は、きわめて反応性の高い物質であり、時間とともに安定した酸素(O2)に戻ろうとする性質をもっており、反応後は残留物を出さない、きわめて安全な物質です。そしてもとの酸素に戻ろうとした時、雑菌や臭い物質と反応するので、除菌、脱臭が行えるのです。また、空気中の酸素が原料なので、いつでもどこでも安価に生成できます。芳香剤のように、悪臭を一時的に閉じ込めるのではなく、悪臭分子を抑制するので、臭いが戻ることはありません。そして広範囲のウイルスを不活化することが分かってるため飲食店や食品工場などでも利用されています。
オゾンの活用例
食中毒菌の除菌 | 食中毒の原因となる菌の除菌 |
---|---|
院内感染の予防 | 院内感染の原因となる菌の除菌 |
ウイルスの抑制 | 風邪などの原因であるウイルスを除菌する効果がある。オゾンを発生させることにより空気中のウイルスの増殖が抑えられる。 |
カビの防止 | 床、壁、浴室などに発生、付着するカビに対しても、オゾンの強力な除菌力で防カビ効果を発揮する。また、ヌメリや黒ずみも抑えることができる。 |
消臭 | タバコ、トイレ、ペット、生ごみ、カビ、新建材、体臭など、嫌な有機臭を除菌して消臭する。中でも、一番気になるトイレ臭は、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、トリメチルアミンなどが主要成分であり、これらの悪臭物質は、酸素原子との反応が非常に速いため、オゾンの強い酸化力により分子レベルで除菌され消臭される。また、壁、天井、床、カーテン、クッションなどに染みついたニオイの除去にも効果がある。 |
鮮度保持 | 野菜や果物の場合、収穫後に呼吸量が増えてエチレンガスが吐き出されるため、成熟、腐敗を早める原因をつくる。オゾンはこのエチレンガスを除菌し、浮遊・付着する腐敗菌、雑菌の増殖を抑えるので、鮮度が保持される。また、肉や魚などの場合は、酸化による変色抑制効果もある。 |
ゴキブリ忌避 | オゾンは殺虫ではなく、害虫が生息しにくい環境をつくることでゴキブリやダニの繁殖を抑え、進入を防止する。ゴキブリやダニがそこに近寄らなくなる、あるいは逃げていく。そのため、死骸を残さない。薬品を使わず、害虫が生息しにくい環境をつくるので、二次公害の心配がないことから飲食店等を中心にオゾンが活用されている。 |
もちろん、二次公害に繋がる有害な物質を出す心配も一切ありません。オゾンは、強力な除菌・脱臭力を持ちながら、環境に限りなく優しい物質といえるでしょう。その優れた脱臭、殺菌、脱色、安全効果により、上水、下水、工業用水、排水、空気脱臭、プール水、食品分野、海水、パルプ廃水、など様々な処理分野に使われてきました。ウィルスの除菌や脱臭の他、カビの抑制、ゴキブリなどの害虫の忌避効果があります。気体として空気中に散布することで、部屋全体の空気を清潔に保ち、更に机やドアノブに付着した菌にも効果があります。フッ素に次いで除菌力が高いとされ、塩素の6〜10倍程度の除菌力があり、残留性がなく厚生労働省からも食品添加物として認められているため、安全性についても問題なく利用できます。そしてオゾン発生器さえあればオゾンを生成するために必要なものは酸素と電気のみと低コストになるので、導入も容易というメリットもあります。