グループホームとは?費用や入居条件・老人ホームとの違いまでをすべて解説

エイジングプランナーコラム

グループホームを簡単に説明すると

グループホームとは、認知症高齢者を対象とした小規模介護施設です。24時間365日、専門の知識を持ったスタッフが常駐しており、入居者の方はその状態に合わせて介護サービスが受けることができます。入居人数には上限があり、「ユニット」という単位を用いて、1ユニットが5~9人で、最大でも2ユニットまでなので、18人が定員です。少人数の入居者とスタッフが一緒にアットホームの雰囲気を構築するので、認知症の方も安定した生活のリズムを作ることができます。また、地域密着型サービスが前提の為、住み慣れた地域環境で過ごすことができるのも特徴です。

※障害がある人が共同生活を行う小規模の住居のグループホームもありますが、障害者総合支援法が定める障害福祉サービスで、別のサービスです。

グループホームの入所条件

グループホームの入居条件で必須事項は4つです。

1.年齢
原則として、65歳以上であることが条件です。例外として、特定疾病を持っている人は64歳以下でも可能な場合がありますので、施設にご確認ください。
2.要介護度
要介護1~5の認定、または要支援2の認定をうけている
必要があります。
3.認知症
グループホームは認知症の方のための施設が原則です。医師による認知症の診断が必要です。
4.住民票
施設がある同一地域の住民票が必要
です。施設によっては在住期間なども条件になる場合がありますので、事前にご確認ください。

グループホームの料金形態

費用は、入居時にかかる「初期費用」と月額の利用に応じてかかる「月額費用」があります。さらに、月額費用には『日常生活費』と『介護サービス費』があります。ここではそれらの費用について詳しく解説します。

初期費用
平均10~20万円

※公的な基準はなく0円~100万円超と施設ごとによって異なります
費目の内訳としては、入居中の修繕費や、賃料の滞納時の補填分、退去時の居室の原状回復費用として充てられます。賃貸住宅の「敷金」の考え方と似ており、退去する際に戻ってくる場合もありますが、施設によっては、入居期間で償却する場合もあります。
月額費用
平均15~30万円

費用の内訳は大きく分けて二つに分けられます。
1.日常生活費:居住費、食費、光熱費、管理費・共益費、雑費
2.介護サービス費:要支援・介護度によって異なる(1割負担)、サービス加算
以下に詳しく解説していきましょう。

日常生活費

居住費
地域の相場、広さや、設備の充実度によって異なる
食費
1日3回の食事、おやつ等の金額。月4万円程度が一般的な価格
光熱費
月1万円前後
管理費・共益費
施設により異なるが、月1万円台が一般的
雑費
おむつや、理美容費用、医療費や、買い物時の日用品費用等

中でも、施設によって大きく異なるのは「居住費」と「雑費」です。居住費用は、家賃と同じなので都市にあるか地方にあるかでも相場は大きく異なります。また、雑費については施設によってあらかじめ単価が決まっている施設もあるので、事前に確認をしておくとよいでしょう。

介護サービス費(2021年4月時点のものです)

グループホームは要支援2、要介護1以上の方が入ることができる施設なので、介護サービスは必須となります。介護保険が適応されるため、利用者は1割負担(一部、所得の高い人は2~3割負担)で利用でき、以下が目安金額です。また、専門的なサービスや、より充実したサービスに対して加算される費用があります。利用者が利用の可否を決めることができるわけではなく、施設側によって異なる差別化されたサービス内容ともいえますので、施設選びの際のポイントにもなります。

初期加算
施設入居時の環境の変化に適応するための支援サービス費用のこと(30円/1日)
夜間支援体制加算
夜間巡回や緊急時に人員を増やし見守り強化する費用のこと(1ユニットの場合:50円/1日、2ユニットの場合:25円/1日)
医療連携体制加算
医療ケアを充実させるための費用のこと。看護師常駐や24時間連絡体制が整った訪問看護ステーションと連携。(39~59円/1日)
認知症専門ケア加算
認知症ケアに関する専門知識を有した看護スタッフを配置。より手厚い認知症ケアを受けることが可能。(3~4円/1日)
看取り看護加算
指定の条件による看取りを行うための費用。(死亡日1,280円/1日、死亡日前日および2日前680円/1日、死亡日4日以上30日以下144円/1日)

上記は一例で、そのほかにも施設によって様々なサービス加算があります。

グループホームの仕組み

施設設備など

先に述べたように、グループホームは5~9名のユニット型となっていて、最大2ユニットの小規模な介護施設です。居室は個室が基本となっていて、1居室に定員1名です。また、部屋の床面積は7.43平方メートル以上(収納設備等を除く)と決められています。施設では、生活する居室のほかに、入居者同士のコミュニケーションを図るための共同スペースがあります。その他に施設によっても異なりますがキッチン、ダイニングルーム、トイレ、浴室、洗面所、洗濯室、リハビリやレクリエーションを行う部屋などが基本的に備わっています。

最近では、ユニット型とは別の「サテライト型」として運営する施設があります。サテライト型グループホームの場合入居者は、本体住居と別に少し離れたところにある民間のアパートなどで一人暮らしを行います。本体住居では、ユニット型と同様のケアを行いますが、本人の希望に合わせて、困ったときのサポートなどを行ってもらえるので、認知症初期で完全な一人暮らしに不安を感じる方には適した施設の形態です。

サービスの内容

グループホームでは、入浴や排せつ、食事等の介護サービスはもちろんのこと、レクリエーションやリハビリテーションなどの認知症ケアが行われます。介護スタッフは利用者3名に対して1名以上の配置が必要で、24時間常駐(夜間は常時1名以上)しています。グループホームの入居者の状況にもよりますが、認知症の進行を穏やかにするために、日常生活については、スタッフがつきっきりで行うよりも、サポートしながら自身で行うことに重きを置きます。また、リクリエーションについても認知症予防に効果が高いといわれる、園芸や指先を使った手芸などが取り入れられています。

一日の流れは?

グループホームでは、共同生活を送るため、役割分担を行いながら、掃除や洗濯、調理などの日常家事は入居者自身がスタッフの支援を受けながら行います。

【一日の大まかなスケジュール】

7:30  起床
8:30  朝食準備・朝食
9:30  バイタルチェック、体操
10:30 掃除、洗濯
11:30 昼食の準備
12:00 昼食
14:00 レクリエーション
15:00 おやつ
17:00 夕食の準備
18:00 夕食
19:00 入浴
20:00以降 就寝(ナイトケア)

自由時間も多いですが、入居者同士で行うレクリエーションは認知症の症状をやわらげる効果もあるため、積極的に行われています。また、施設によっては地域交流を実施して、近隣の方との触れ合いを積極的に取り入れた活動が行われています。

メリット、デメリット

グループホームを選択するかどうかについて、メリットとデメリットを見ていただくとより適した判断を行うことができるでしょう。

メリット

[認知症の進行を穏やかにしてくれる]
認知症を発症しても、すぐに生活ができなくなるわけではありません。日常生活を送るだけならば問題ないことも多いでのです。グループホームでは、掃除や料理などの日常生活は基本的に自分で行うため、自立した生活を送ることによって認知症の進行を穏やかにしてくれます。また、専門知識のあるスタッフが24時間体制でサポートしてくれるので、安心して生活を送ることができます。
[住み慣れた地域で生活を続けられる]
もともとが、高齢者が住み慣れた地域に住み続けられる「地域密着型サービス」のため、施設のある同一市町村の住民票を持っている方が対象です。同じ地域に住み続けることによって、環境の変化に伴う心身のストレスは軽減することができます。
[少人数制でコミュニケーションがとりやすい]
人の入れ替わりが多いことや、不特定多数の人は、認知症の高齢者にとってストレスの原因になります。グループホームは定員が5~9人の入居者と少人数で、職員も決まった担当者が出入りするので、毎日同じ人と顔を合わせることによって、安心した環境を作り出すことができます。
デメリット
[地域は住民票があるところに限られている]
地域密着型施設なので、施設のある市町村の住民票を持っていなければ入居することはできません。気に入った施設があるかどうかは近隣の情報を調べてみなければ分かりません。
[定員の枠が少ない]
小規模型の施設のため、定員の枠が少なく、すでにいっぱいという場合も少なくありません。即入居ができないケースも多いようです。

特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サ高住の違い

それでは、次にグループホームの他の老人ホームの違いについて説明していきましょう。グループホームは、地域型、少人数制など特徴がありましたが、それ以外の老人ホームの特徴について解説します。

グループホーム
要介護度 要支援2 要介護1~5
年齢 65歳以上
料金 入居費:10~20万円 月額費用:15~30万円
グループホームは、専門医から診断を受けた認知症の方が共同で生活する施設です。入居後はサポートを受けながらではありますが、自分のことは自分で行うため、知症の症状が重度な方や、寝たきりの方は入居できないケースもあります。
特別養護老人ホーム
要介護度 要介護3~5
年齢 65歳以上
料金 入居費:無料 月額費用:5~15万円
要介護3以上の常に介護を必要としている高齢者の方に、生活全般の介護サービスを提供する地方公共団体と社会福祉法人が運営する公的施設です。長期利用を前提としており、終身利用が可能です。公的施設ということもあり安価のため、常に入居者の待機が多く、希望した施設にすぐに入ることができるのは難しいケースも多いようです。
有料老人ホーム
要介護度 施設による
年齢 60歳以上
料金 入居費:0~数千万円 月額費用:15~40万円
有料老人ホームは「健康型」「住宅型」「介護付」と3種類があり、民間企業によって運営されている高齢者が住みやすいように配慮がされた住まいです。「健康型」「住宅型」は、大浴場や食事処、フィットネスジム、カラオケなどの設備が整っております。「介護付き」の場合は要介護1~5までが対象です。リハビリやレクリエーションなども充実している施設も多くあります。
サービス付高齢者向け住宅
要介護度 条件なし
年齢 60歳以上
料金 入居費:数百~数億円 月額費用:20~50万円
「サ高住」と呼ばれるサービス付き高齢者向け住宅は、介護度がそれほど高くない高齢者を対象にしたバリアフリー住宅のことです。安否確認と生活相談のサービスを提供してくれます。駅までの送迎や有料で食事の提供も行う施設も多くあります。

グループホームの選び方

自分にあったグループホームを選ぶことがベストですが、それぞれにポイントがあります。費用やケア体制など、事前にチェックポイントを定めて比較してみるとよいですよ。

費用
まずは、経済的に無理をしないこと。現在の資産状況や将来的な収入状況を考えて、選ぶことが必要です。初期費用と月額利用料を確認して入居可能な施設を見つけましょう。
介護体制
入居者の定員に合わせたスタッフの数がいるかどうかの確認とともに、定着率にも注目しましょう。スタッフが頻繁に変わるようでは、入居者の方も落ち着かないですし、運営体制にも問題を抱えていると言わざるを得ません。
医療体制
持病を持っている場合はもちろん、年月が進むにつれて、医療サービスを頼ることも多くなるため、医療機関との連携や、体制が整っているかの確認をしておくと安心です。
入居者、スタッフの雰囲気
入居者の方とは長く一緒にいることになります。表情が穏やかかどうかなど、見学時に確認してみることは重要です。スタッフの身だしなみや、言葉遣いなど基本的なところにもサービスの質が現れますので、チェックしましょう。
ショートステイ体験で最大30日まで短期入居することが可能です。実際に体験をしてみるとで、設備の充実具合やスタッフや入居者の雰囲気などを実感することができ、自分い合っているかどうかを実感ができるでしょう。また、顔見知りのケアマネージャー(ケアマネ)の方に相談してみるのもよいでしょう。

グループホームについてのまとめ

・認知症の方を対象にした地域密着型の小規模高齢者施設

・65歳以上で認知症診断を受けた方が対象

・有資格者からのサポートを受けながら共同生活を送る


・レクリエーションなどを通じ認知症ケアを行う


・医療ケアは基本的に行わないがサービス加算による体制はある

さいごに

今日のコラムではグループホームについてご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか?今回グループホームにご紹介させていただいたことはある出来事がきっかけでした。

先日私たちのお客様からのご紹介で、横浜市神奈川区にお住まいの83歳女性のご自宅に伺ってきました。そのかたの近くに住むお知り合いが「グループホーム」に入ったそうで、「私は入れるの?費用もそんなに高くないし家からすぐ近くだし私も入れたら…」
というお話がありました。

施設のご相談中に、このグループホームについて話題にのぼることは結構多いのです。確かに費用も民間の有料老人ホームに比べお安めで、東京や神奈川の有料老人ホームで低価格な施設でも月々20万円程はかかるのに対しグループホームは12,3万円というところもあります。比較的お支払しやすい費用感なので話題にでるのですが、この「グループホーム」、「認知症の診断を受けたかた」が入居対象なのです。

ご存知なかたも多くいらっしゃる一方で、施設を探し始めたばかりのかたにはご存知ないかたも多くいらっしゃいますのでグループホームについてご紹介させていただきました。

「ここの施設は入るのが難しいのかな?」
「うちの両親がこれから入れる施設はあるの?」

グループホーム以外にもいくつか施設の種類もあり、入居できる条件が人によって異なりますし、なかなかご自身だけで判断は難しいですよね。
ですので、気になったことがありましたらどんなご相談でもお気軽にご連絡ください!

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    エイジングコンシェルジュ:槌井
    長くシニア住宅のご紹介をしておりました。お客様によって環境がそれぞれに異なるので、じっくりお話をお伺いしたうえで、最新で最適なプランをご提案しています。「あなたと出会えて本当によかった」と言ってもらえることが仕事のやりがいです。ご入居された後もお困りごとのご相談をいただけることに信頼を実感させていただきます。