今日は介護施設でのレクリエーションについてのお話。
介護現場でのレクリエーションと聞くと、職員総動員の何か大きな行事なのかと想像される方もいらっしゃるかも知れませんね。
介護施設の種類は色々とありレクリエーションの内容も様々ですが、その存在意義はどの介護施設に於いても同じです。
歌やパズルや物作りやゲーム、提案の基準は誰でも参加ができ内容はシンプル且つ安全で楽しめるというものになっています。
「人付き合いは苦手だから」
「煩わしいから参加したくない」
という方も勿論おられますし、
「体調が優れないから部屋でゆっくり静かに過ごしたい」
と参加をご辞退される方も勿論いらっしゃいます。
そのような場合には基本的にはご入居者の希望を優先し、一人でお部屋で過ごすことになります。
ではなぜこのようなレクリエーションというものが必要になってくるのでしょう。
レクリエーションの意味を調べると【仕事や勉強の疲れを休養や楽しみで回復すること】という内容が書かれていますが、高齢者にとってのレクリエーションの意味は少し違ってきます。
他者と交流する機会を持つことで気分転換を図り、動作や取り組みから身体や脳を刺激し、それらの機能を維持することが大きな目的となっているからです。
どのような種類の介護施設であっても、一歩足を踏み入れればそこには一つのコミュニティが存在します。上記した「他者」とは他のご入居者はもちろん、施設の職員であったりボランティアで施設に来て下さっている近隣住民の方々も含まれます。
高齢になると、脳や身体機能の衰えにより人との関わりをはじめ、何をするのも億劫になられる方が増えていく傾向にあります。身体能力でいうと可動域が狭まり腕が思うように動かなくなったり、足腰が弱って立位や歩行が困難になる結果を招いてしまったり、脳の機能でいうと思考に偏りがみられ孤独感に苛まれたり、感情をコントロールする機能が衰えたりしてきます。
レクリエーションを通じてコミュニティの中で人と関わっていくことは、自分の存在を再認識することにも繋がり、小さな関わりが明日への楽しみに繋がる可能性やメリットが期待できると言えますね。